フィリピンSV

フィリピンとSVが私たちそれぞれにくれたもの

成田聖花
人間文化課程 1年

10日間のフィリピンスタディーツアー。フィリピンで過ごした日々は私たちの胸に強く残っている。フィリピン内の格差を痛感する風景、お金をせがむ子どもとの出会い、原発問題、フィリピンに残る過去に日本人が残した傷跡、教育現場の違い、ホームステイ、パワフルで優しいUP生(フィリピン大学の学生)と談笑する毎日、ビーチ、おいしいフィリピン料理。どこも削れないと言っても過言ではない。学生に必要な遊び、勉強、経験をバランスよく全てつめこみ凝縮したかのような10日間であった。フィリピン滞在中の夜、学生17人+教授の仲間で出向いた先々の振り返りを行ったのだが、全員同じ場所に行っているのに感じ方は多様で、仲間の言葉からはっとさせられることが多々あった。興味・関心の違う仲間と共に経験をし、それを共有し感化されるのもSVの醍醐味である。フィリピンSVのページでは自分たちの経験を5つのテーマとしてまとめた。個性のあるメンバーがそれぞれ感じ取ったフィリピンでの経験を少しでも読み取っていただけたら幸いである。私を含め、全てのメンバーがフィリピンから持ち帰ってきたものがある。しかもそれがそれぞれ違うのがおもしろい。

原発

今後日本にある原発を稼働させるか否か。そんな問題に直面する私たちは、造られたものの一度も稼働させたことのないフィリピンのバターン原発を見学しに行った。そこで働く職員の言葉が私たちに疑念を抱かせ、原発の事態の複雑さを改めて痛感させる。

格差

10日間の滞在中、私たちはフィリピンのマニラ地区で様々な場所を訪れたのだが、驚くほど目に見える格差が存在していた。フィリピンは発展途上国のイメージが強いかもしれないが、マニラ地区は横浜を超えるレベルの高層ビル街もある、そんな場所だった。

女性・子どもにまつわる問題

社会的に弱い立場にいる女性や子どもたちは社会の矛盾にさらされやすい。そんな彼・彼女らに対して私たちは何ができるのか。私たちの先祖が犯した従軍慰安婦問題という罪やフィリピンの子どもたちの人懐こい笑顔の裏を見た。

ホームステイ

私たちはフィリピンのマリキナ地区で1日ホームステイを経験した。そこに住む人々は親戚同士も多いそうなのだが、1つの家族を超えてみんなが大きな家族のようで、なんだかとてもあたたかく感じる。私たちは2・3人で1組になり、それぞれ8つの家庭にお世話になった。

UP生

フィリピン大学の学生(UP生)は明るく、パワフルでとても優しい。共に考え、遊び、フィリピン滞在中多くの時間を彼らと過ごした。私たちのSVはUP生なしでは確実に成り立たず、感謝してもしきれないほどだ。