フィリピンSV

観光と歴史の街、そしてフィリピンの人々とおもてなし

成瀬裕介
人間文化課程 1年

みなさんはフィリピンの観光地と聞くと何を思い出すだろうか。リゾート地があるセブ島は日本でも有名だがそれ以外はあまりなじみがないかもしれない。恥ずかしながら私も事前学習で調べるまではフィリピンの観光地といわれてもピンときていなかった。今回のSVでは首都マニラの観光地として知られているイントラムロスを2日目に訪れた。イントラムロスは16世紀にスペイン植民地時代に作られた城壁に囲まれた都市でありその後のアメリカ植民地、日本軍侵略時にも中心となっていた場所だ。これらの建物は太平洋戦争時にほとんどが消失してしまったが、戦後に再建されている。もちろんこの場所を私たちだけで廻ることは難しいことだ。そんな私たちをガイドしてくれたのがフィリピン大学の学生(UP生)だ。UP生のみんなは私たちを熱心にガイドしてくれた。それも多くの学生だけでなく卒業生も一緒についてきてくれた。それぞれの建物に関して説明してくれたり、マニラの歴史を教えてくれたりとイントラムロスのことを知ってほしいという気持ちや楽しませようという心意気がとても伝わった。彼らが日本に来た時も私たちは鎌倉や浅草といった日本の歴史的なところを案内したが、私はここまでちゃんと説明できていただろうかと自問自答したほどだ。今回のSVで絶対に欠かすことができないのがUP生の存在だ。レイテ島に行っていた2日間以外は必ず誰かがついてきてくれたし、プログラムが終わった後も楽しいアクティビティや企画をいろいろ考えてくれた。UP生だけではない。今回携わったフィリピンの人々のホスピタリティに私たちは常々感動していた。私たちのために時間を割き、自分たちの団体、地域、国のことを伝えようという強い気持ちや勉強してもらいたいという心がとても伝わってきた。日本には「おもてなし」という言葉がある。でもこの言葉はもはや日本だけのものではない。むしろ日本では少し忘れかけたこの言葉の意味をフィリピンで改めて感じた。