パラグアイSV

渡航を終えて

田中美沙
人間文化課程 4年

1. 村でのフィールドワークを終えて

私は村でのフィールドワークを終えて感じることが3つあった。それは日本と異なるパラグアイの雰囲気、語学の大切さ、現場で実践する難しさである。 まず、日本と異なるパラグアイの雰囲気という面では、中南米ということもあって、とても陽気でゆったりした雰囲気が流れている。特に農村では住民は時間にとらわれず自分の気分や天候を見ながらゆっくり生きている。日本のようにせかせかしていない時間間隔は同じ地球上なのにここまで違うことがあるのかと思った。この地球上には本当にたくさんの文化と価値観が溢れていて、みんな違うことからこそ、みんながどこかに居場所を見つけられるようになっているのだと感じた。

次に、活動の中で語学の重要性はもちろん感じた。しかし、人は言葉を介さなくても繋がることが出来ると思う。調査していく中で語学は、学生の私たちにとってとても大きな壁であった。それでも、簡単な言葉、動きや笑顔で一生懸命伝えているとうれしそうに抱きしめてくれたり、一緒に遊ぶと自然とみんなが笑顔になる。それは言葉でなくても心がつながっている感覚であった。言語はできるに越したことはないが、できなくても伝わるものがあるのだ。それを感じられるほどの住民との関わりを経験できて本当に良かった。

最後に、現場で実践するむずかしさも嫌というほど感じた。準備してきたことをほとんど活かせなかったし、予測しないアクシデントもたくさんあった。こんなにうまくいかないとは思わなかった。しかし、それらは実践しなればわからなかったことである。準備を含めて半年以上パラグアイの住民のことを考えて活動してきたが、現地に行って初めて分かったことがたくさんあった。現場に正解があるとはよく言う話だが、これからも調査や国際協力をしてく際には、現場のことを第一に考えてやっていきたいと感じた。

現場でしか分からない、現場でしか出会うことのできないものがある、そう感じさせられ続けた1か月でした。

2. 活動全体を通して

①人と人とのつながり
②続けていくことの大切さ
この2点を強く感じた。

1点目は渡航を通して多くの方に支えていただき、人とのつながりの大切さを改めて感じた。何の技術もノウハウも語学力もない私たちがここまでの活動をすることができたのは本当にたくさんの方々のご協力があったからである。私たちの活動に対して、厳しいお言葉をいただいたこともある。しかし、叱られて、何度も挫折しても貪欲に学び、人とのつながりを大切にすることが何よりも大きい学びにつながると実感している。

2点目は続けていくことの重要性である。私は昨年と今年、2回パラグアイに行くことができた。1回目はグループ最年少で、しかも初めての海外。何もかも中途半端でパラグアイの人にとってはマイナスだったのではないかと悩んだ。やるなら途中で諦めたくないと挑戦した2回目のパラグアイでは、去年の経験を活かしてできることは積極的に関わった。自分が変わったことでいろいろなことが違って見えた。これは続けていなければわからなかった新しい発見だった。そして、何より嬉しかったことはパラグアイの人が私のことを覚えてくれていたことだ。私と話した内容まで覚えてくれていて、それだけでまた来てよかったと思えた。昨年より明らかに打ち解けるスピードが速かったし、相手の本音を聞くことができた。
このような活動は、団体として継続していくこともとても重要だと感じた。先輩たちが始めた活動が基となって今の活動につながっているし、大学生として活動できる期間は4年間と短い。できることも限られるかもしれないが、それぞれが自分にできることを精いっぱいやる、それをつないでいくことで活動が発展していくのではないかと考えている。

パラグアイは人々が本当に温かく、ご飯もおいしい素敵な国であった。また行きたい。本当にありがとうございました。

一生忘れることのできない、他の何事にも替えがたい貴重な経験ができました。

謝辞

このような重要な活動に取り組むことができたのは、私たちに関わったパラグアイで暮らす全ての方々とパラグアイ関係者各の方々の絶大なるご支援のおかげです。このSVを通じたたくさんの素敵な出会いは、私たちにとってかけがえのない財産となりました。準備期間から現在に至るまで、数えきれないほど多くの皆様に支えていただき、またご迷惑をおかけしました。このSVで学び、経験したことは私たち一人ひとりにとって今後の大学生活やそれ以降の生活にも大きく関わっていくだろうと思います。
パラグアイにおける研究活動を評価してくださり、機会を設けてくださった在日パラグアイ共和国大使館豊歳直之駐日特命全権大使、在パラグアイ日本国大使館上田善久大使駐箚特命全権大使のお二方には学部生・院生一同心より感謝申し上げたいと思います。
パラグアイSVに臨むにあたり、横浜国立大学の関係者の方々には今回も大変お世話になった。現地での研究費用として予算を援助して頂き、パラグアイの農村部でもフィールドワーク活動に取り組むことができたのは鈴木邦雄学長(当時)、中村文彦都市イノベーション学府長(当時)、高木まさき教育人間科学部長の後押しがあってこそのことでした。そのほか、ここでは語りきることができないほどの各方面の関係者の皆様のご尽力がなければ、このような素晴らしい渡航は実現しなかったと思います。この度はページ末尾でのご紹介にて心から感謝の意と替えさせて頂きたいと思います。また、今年度もパラグアイ渡航が実現したのは何より指導教員である藤掛洋子教授の広い人脈と各方面への尽力、そして丁寧かつ熱心なご指導を賜ることができたおかげです。参加学生一同心から感謝の意を表し、お礼の言葉とさせていただきます。
今後もこの経験を活かして、またこの出会いを大切にして、日々精進していきたいと思います。

2015年3月吉日 2014年度パラグアイ渡航班参加学生一同

以下、2014年度パラグアイSVにあたり、全の方のお名前をご紹介することはできませんが、ご指導頂きましたことに感謝申し上げます。

在日パラグアイ共和国大使館 豊歳直之駐日特命全権大使、ほか大使館職員の皆様
在パラグアイ日本国大使館 上田善久大使駐箚特命全権大使、ほか大使館職員の皆様
横浜国立大学 鈴木邦雄学長(当時)、中村文彦都市イノベーション学府長(当時)、高木まさき教育人間科学部長、ほか大学関係者の皆様
JICAパラグアイ事務所 谷口誠所長、伊藤圭介次長、ほか職員の皆様
アスンシオン日本人学校 島村正明校長、河西誠教務主任、ほか先生・職員・生徒の皆様、
NIHON GAKKO Dr.Dionisio Ortega学長、Dr. Hermelinda Alvarengade de Ortega副学長、ほか先生・職員・学生の皆様
アスンシオン国立大学 Dr. Froilán Enrique Peralta Torres学長、ほか教員・職員・学生の皆様、
日系社会福祉センター山西司朗センター長、センターの皆様、
イグアス日本人会会長福井一郎様、移住地の皆様、
ピラポ日系移住地永見禎輝市長、佐藤洋一様、ホームステイを受け入れてくださったご家族の皆様、移住地の皆様
LA RURAL S.A. De Seguros 田中裕一取締役、
パラグアイ日系青年部の皆様、
フィールドワーク調査にご協力いただいたS村、Y村、M地区、カテウラ地区、イタグア市住民の皆様
通訳 Liliana Narumi様、ミタイ基金 田代志織様
横浜国立大学都市イノベーション学府・研究院 藤掛洋子教授

他にもここには書ききれませんが、多くの方々に協力していただきました。皆様へ心から感謝の気持ちと御礼を申し上げたく、謝辞にかえさせていただきます。誠にありがとうございました。