パラグアイSV

アスンシオン国立大学との学術交流

上坂紗詠子
人間文化課程 4年

1. アスンシオン国立大学

アスンシオン国立大学(Universidad Nacional De Asuncion , 通称:UNA。以下、UNAとします)はパラグアイでトップの名門大学であり、我が横浜国立大学は2012年9月12日にUNAとの学術交流協定を締結した。
当日は、私たちは以下のような活動を行った。
  ①留学生の式典へ出席
  ②学内交流会参加
  ③キャンパス見学
  ④学術交流シンポジウム

①式典では、メキシコ、アルゼンチン、ウルグアイ、ギリシャ、ベネズエラ、ドイツ、イタリア、ブラジル、スペイン、日本の11か国53人の留学生が参加し、学長の挨拶の他、パラグアイの民族舞踊のボトルダンスを披露して頂いた。ボトルダンスとは女性たちが頭に何本もビンを乗せてバランスをとりながら軽快に踊るダンスである。フィナーレでは、女性の身長よりも高い8本ものボトルを積み上げて踊り、会場は歓声に沸いた。

ボトルダンスの様子

ボトルダンスの様子。この式典の様子がパラグアイの新聞社に掲載されました。

②食事会ではパラグアイの伝統料理であるアサードを囲み、たくさんの国の留学生とスペイン語と英語を使い会話を楽しんだ。美味しい食事と留学生との交流で私たちはとても楽しいひと時を過ごすことができた。

③キャンパスツアーでは、広大な敷地内にある学部を見て回るためにバスで校内を見学した。大学内の施設を全て見学できたわけではないが、図書館や研究室、授業風景などを見学し、UNAの多様な研究・教育設備の一部を垣間見ることができた。またキャンパスを歩いていると、学生たちが“¡Hola!”と陽気に手を振ってくれ、ここでもパラグアイ人の温かさに触れることができた。

④学術交流シンポジウムでは、
第一部の公開フォーラム
第二部の大学紹介
が行なわれた。

第一部の公開フォーラムでは、横浜国立大学からは藤掛洋子教授と、都市イノベーション学府博士課程後期の小谷博光さんのプレゼンテーション、そしてUNAからは建築学部の教授、建築学部の学生、そして農学部と経営学部がコラボレーションした学生団体のプレゼンテーションがあった。彼らの活動は私たちの活動に似ている部分があり、いつか彼らと共に活動できたらいいなと感じた。

第二部の大学紹介では、横浜国立大学からは私、上坂が日本の大学システムと大学生の大学生活についてのプレゼンテーションを行い、そしてUNA側からはパラグアイと大学紹介のビデオを拝見させて頂いた。パラグアイの知らない部分を見ることができ、また、UNAの規模の大きさを知ることができた。最後に彼らと自由に意見を交換したり、おしゃべりをしたり、写真を撮ったりした。お互いのプレゼンテーションや、また同じ世代の学生と交流を通してとても充実した楽しい時間を過ごすことができた。

シンポジウム後、大学間の連携を実感したひとときでした。

式典だけでなく、シンポジウムの様子も新聞に掲載されました。参考(abc新聞社 2014年9月10日掲載)

コラム
パラグアイ渡航での学び
-学生との交流と農村での経験を通して-

またプレゼンテーションを行うにあたり、寝る間を惜しんで原稿を作成したり宿泊した日系福祉センターで仲良くなった日系人の友人に確認してもらったりした。スペイン語で大勢の人の前でプレゼンテーションをすることは滅多に経験出来ないことであり、原稿を作る段階から発表まで本当にたくさんの学びを得ることができ、とても貴重な経験が出来た。
私はスペインに一年間留学していたこともありスペイン語を使うことが出来たため、他のメンバーよりもUNAの留学生たちとコミュニケーションを取ることができた。留学生たちはパラグアイという国はとてもいい国で、大好きだと言っていて、私も今回の渡航でパラグアイがとても好きになったので、彼らの気持ちがよく理解できた。別れる前には、Facebookで連絡先を交換し、パラグアイ渡航後もメッセージのやりとりを続けており、日本から遠く離れた国に住む学生たちと交流を続けられていることはとても嬉しいことだと思う。
パラグアイではUNAでの交流を含め、多くの学びを得ることが出来た。特に国際協力という面で私の考えに与えた影響はとても大きい。一つの結果を出すには十分な時間と準備が必要であること、そして既に存在するコミュニティを尊重し、個々のニーズをきちんと知ることがとても大切だと実感した。当たり前のことなのかもしれないが、自らが辛い思いや努力をしたからこそ、その経験を通して身をもって学べたという点に意味があるのだろう。