中国SV

SV概要 グローバル・アジア

グローバル化が進む今日、場所と人、モノの関係はますます多様化している。日本に暮らす我々も、日常的に目にする光景、手にするモノから、人やモノのグローバルなつながりを感じない日はないだろう。それとともに、どこかに出かけ、学ぶという行為のあり方も変わっている。もはや、「アジア社会を学ぶためにアジアに行く」や「アフリカ文化を知るためにアフリカに行く」といったことが当たり前ではない。日本を含めたアジアの至るところに、国境を越えて多種多様な属性を持つ人々が集い、非同質的で流動的なモザイク都市が生まれているのである。

SVの対象地である広州市は、グローバルな人やモノの移動の中継地として、東アジア有数の都市である。広州市を含めた広東省は、福建省と並び、海外華僑の送り出し地域として有名である。広州市内や郊外には、華僑の援助をもとに建てられた、祀堂や住居、公園や大学などが各所に存在する。また、広州は古代より「海のシルクロード」の中継地として栄えてきた都市でもある。その足跡は、8世紀、唐の時代に建立されたイスラム教のモスクの存在などに垣間見ることができる。さらに近年では、海外からの移民の流入地域として、多くの外国人が集住する都市ともなっている。特にアフリカ系移民の数は2万人とも20万人とも言われ、通称「チョコレートタウン」と呼ばれるアフリカ人街が生まれている。
以上を背景として、広州SVではアジアのグローバル化をテーマとし、横浜と広州の比較研究を行った。中国と日本の二つの都市において、人の移動や多文化共生の現状と課題を学び、考察することが目的である。

担当教員 白水紀子・松本尚之

ツアー日程

事前学習

  • 10月28日 横浜中華街訪問
    在日華僑・華人の生活世界に関する講義
    (横浜華僑総会顧問 曽徳深氏)
  • 11月18日 在日アフリカ人の生活世界に関する講義
    (Japan Times記者 Richard Dreux氏)

ショートビジット

  • 12月19日成田〜北京〜広州
  • 12月20日市内散策
  • 12月21日開平自力村・立園・赤坎古鎮 訪問
  • 12月22日アフリカ人街(三元里)訪問
  • 12月23〜24日班① 香港訪問
    班② アフリカ人教会訪問
  • 12月25日中山大学との学生交流・講義
  • 12月26日モスク(懐聖寺・先賢古墓清真寺)訪問
  • 12月27日市内散策
  • 12月28日広州〜北京〜成田

謝辞

今回のSV実施にあたっては、多くの方々にご協力・ご尽力いただきました。ここに改めて、謝意を表したいと思います。ありがとうございました。

  • 中山大学アジア太平洋研究院長 濱下武志 教授
  • 中山大学外国語学院 日本語学科長 邱雅芬 教授
  • 中山大学人文科学学院 歴史学科 謝湜 准教授
  • 中山大学外国語学院 日本語学科 羽田帆奈美 講師
  • 中山大学人文科学学院 博士後期課程 黎俊忻 様
  • 広州市イスラム協会の皆様
  • アレックス・アニム 様
  • 横浜華僑総会 顧問 曽徳深 様
  • Japan Times ドリュー・リチャード 様